タツロウ

花束みたいな恋をしたのタツロウのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8
少しネタバレあり

サブカルチャーを軸に運命的な共通点で出会った二人のお話。
少女漫画みたいなテンポで恋に落ちる二人。正直、恋愛映画のお約束のような展開は苦手だけど、噂で色々聞いていたので「さぁ、いつぶっ壊してくるのかな?」とちょっとワクワクしながら見ていました。笑

しかし、思った以上の展開は起きなかったのでちょっと拍子抜けしてしまいました。編集の仕方は違うけど、同じような構造の映画で言えば「ブルーバレンタイン」の方がエグみがあって見た後の虚無感が強かったので、それと比べると期待ハズレ感があったかなと思います。

多くの人が思い出したりして感情移入しているのは、もちろん日本が舞台というのもあるけど、サブカルチャーのアイコンに限らず、実際の出来事、物、人物が二人の関係に重要な要素として出てくる、なんなら二人の関係はそれらの要素で成り立っているということがポイントになっていると思います。

何かを介して繋がっている二人。それが良いことなのか、悪いことなのか。この映画のラストはその答えのひとつを見せてくれたのだと思います。

自分は30代に入って結婚もしたから「若いなー」という感じで全体的に冷静に見てたので、二人のやりとりがちょっと痛いなと感じたりしたけど、ところどころ自分にも刺さる部分があったりしたので、若い人が見たらもっと生々しく見えるのかもしれない。

内容としては物足らなかったけど、演出が個人的に好きでした。スマホ越しの告白とか、前半とラストの赤信号、二人のカットバックの連続など。あ、いいなーと思う瞬間があって良かったです。
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