うめ

花束みたいな恋をしたのうめのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.0
恋が始まりから
恋の終わりまで

彼等と同じ世代の人にもささるのは間違いない
でも
その時代をとっくに通り過ぎ
眩しく振り返ってしまう世代にこそ
強く深く突きささる作品だと思う

本が好きな人なら
映画が好きな人なら
音楽が好きな人なら
ゲームが好きな人なら
わかるはず
「同じものが好きだと嬉しくなっちゃう症候群」が
そこから生まれる好意は距離をあっという間に縮めさせる
麦くんと絹ちゃんのように
だけど
時間は流れていく
歩くスピードに差はうまれ
焦りや苛立ちで思いはすれ違う
同じ好きでも形は少しずつ変わっていく
一緒だったはずの幸せの延長線の先も
そして
一度離れ始めてしまえば
どちらかが線を曲げない限り
もう交われることはない
ファミレスのシーンは涙が止まらなかった

麦の菅田将暉
彼の怒りの表現はずぱ抜けていると思う
柳楽優弥の熱さとも
池松壮亮の鋭さとも違う
後悔や焦燥
こんなはずじゃなかったのにという顔をさせたら天下一品です
とはいえ
この作品は彼女に尽きる
絹こと有村架純
上手いとも凄いとも違う
ふわりとした中にある強さ
作品に溶け込む力は抜群です
男の私ですが彼女の方が共感する部分は多くて
生活を豊かにするのも
職場で偉くなるのも
もちろん大事だけど
一緒に映画見て
一緒にマンガ読んで
一緒にゲームして
一緒に抱きあって
一緒に笑って過ごしたい
好きなものを諦めないで欲しいって
まぁ
だから
奥さんには「いつまでも恋人気分でいるんじゃない」って怒られるんだろうけど

何やっても幸せがダダ漏れな瞬間
何やってもうまくいかない時期
頷きまくりのサブカル話
そこに笑いが上手にまぶされている
ラストが少し綺麗にまとまり過ぎに感じて
ビターな余韻がオジサンには欲しかったかな
あと
結婚してからはずっと京王線沿いに住んでいるので見た景色ばっかりでニヤニヤしちゃいます


何やら「べいびーワルキューレ2」はコレを見てるとより楽しめるとのこと
そっちも楽しみになっちゃいますね
うめ

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