あもてゃ

花束みたいな恋をしたのあもてゃのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
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最初、サブカル人間特有のウザさが絶妙で鳥肌たった(褒めてる)。が、2人とも守備範囲が広すぎてもはや博覧強記レベル。ここまで各方面に精通してたら大したものだ。

確かに趣味の相性はバッチリだった。でも、彼らは結局お互いの何かを見ていたのだろうか。サブカル以外に、何か共有する信念はあっただろうか。お互い本当の意味で尊敬出来るところがあれば、どんな困難があっても関係は続いたのではないか?

あー!!!私もきのこ帝国の「クロノスタシス」を恋人と一緒に歌いながら夜の散歩、したい人生だったな!!!!!

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追伸(ネタバレ・批判⚠️):
正直なところ、私はこの映画に相当ダメージを受けてしまった。あれだけ博識だった麦くんが豹変した契機は、父の来訪と仕送りの停止、そしてブラック企業への就職だ。その事が2人に明らかな亀裂をもたらしている。にも関わらず、本作では最後までこれらの出来事に対する回答は与えられない。まるで、日本の現状を諦め、貧困を受け入れろと言っているかのようだ。それを良い感じのビターエンドで包み込んで無毒化しているのが不気味だった。麦くんが将来の自分だとしたら、こんなにも恐ろしいことはない。私にとっては、ホラー映画にも等しい終わり方だった。人生は短いんだから、絹ちゃんの生き方に賭けさせてくれ!