Tatsu

バッド・エデュケーションのTatsuのレビュー・感想・評価

バッド・エデュケーション(2019年製作の映画)
3.7
ゼロ年代にソダーバーグかジェイソン・ライトマンが撮ってそうなブラックコメディ。前半は主人公から引きすぎた距離で描いていたり、話のテンポがなかなか弾まなかったりで、そんなに面白くはないが、後半に、彼は何を持って生きていたのかという、主人公の内面にフォーカスするような描き方にシフトし、ちょっとグッときた。あと、この題材なんで今このタイミングで映画化してるんだろうと思っていると、主人公のある設定で納得した。ポリコレ以降にアメリカ映画がLGBTなどジェンダーや人種をテーマに扱った映画を潮流に乗って多数作ったという側面もありつつ、同時に、以前のハリウッドではそもそもそういった要素をはらんでいる題材の映画化を避けてきたという側面があるのでは。主人公のジェンダーの設定によって映画化されなかった題材や脚本が、世の中の価値観が変化している中で、やっと映画化され始めているという。もっと早くゼロ年代に作られるべきだった映画。
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