このレビューはネタバレを含みます
叔父さんと甥っ子が急遽共同生活を送ることに、という設定が、私の大好きな『ペーパームーン』的でいいなと気になっていた。
まず最初に
観てよかった……✨と思った。
仕事で真摯に子供と向き合っているおじ役ホアキン・フェニックス(役名ジョニー)
メンタルが不安定なパパと、パパを助けるために家を空けるママの不在を内心寂しく思いながら気丈に振る舞う、甥役ウディ・ノーマン(役名ジェシー)
2人が天才的すぎて、これは演技ではない、ドキュメンタリーだと感じた。
どうしてジェシーはあんなに自然なの??鼻をかきながら、普通のお喋りをしてるかのように、ちゃんと台詞を話してる。
ハッとさせられたのは、ジョニーの考えに対してジェシーが「ペラッペラ、ペラッペラ」と真顔でいうシーン。
大人になって、語彙や表現を身につけて、真っ当なことを喋っているようで、その実そこに本当の自分の気持ちが込められているか、本心を喋れているかというと、そうでもないことがある。
こういった方が真人間に見てもらえるから、こういう表現が差し障りないから、AもBも大切だと良い人ぶるけど結局どちらも大切にできない、など。
子供は大人より語彙力がない、生きてきた年数が違う、表現が拙いからと軽んじられることがあるけど、私たち大人は彼らの気持ちを本当に理解できているだろうか?むしろ自分達より本音で相手と向き合っていたり、反対に我慢して本心を隠していたりしないだろうか?そうさせてはいないだろうか?
そんなことを考えさせられた。
コロナによって、生身の人間同士で対面することやコミュニケーションを取ることが当たり前ではなくなった。
だからこそ改めて、相手と向き合うこと、言葉を沢山交わしてしっかり対話することの大切さを教わった気がした。