モノクロだけど、すごく鮮やか。
音や風景、子供の無垢であり残酷で、的を得た意見が、心を少し揺さぶりながら洗っていく映画。
子供の頃の、強烈な出来事でもない平凡な日常の風景の記憶がいくつかある。
意識していなくても心のどこかが『この場面、覚えておいた方がいいよ』と言ってるような、なんでもない、何も起きない数十秒の日常。そういう平凡を不滅にするのは、音楽でも写真でも心の奥の記憶でも、あらゆる手段がある。それはいつでも自分だけの味方であり、何かを乗り越える糧になっていて、きっと死ぬ時もこの情景を思い出すんだろう。
大人もいつかは子供だった訳で、でも忘れていくたくさんの日常の中、鈍く輝く自分だけの記憶や記録がある事を、走馬灯のように見せてくれた。
マイク･ミルズ監督作品では『人生はビキナーズ』が1番だったけど、こっちの方が好きかも📻
