しゅーくりーむ

カモン カモンのしゅーくりーむのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
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めちゃめちゃよかったなあ…。
今まで観てきた作品の中でも、1番かもというくらいよかった。
まずタイトルバックから、引き込まれた。あんなにモノクロが美しいなんて思ってなかった。A24は彩度高めな色作りが個人的には印象的なのだけど、モノクロになることですごくクリーンな状態で映画と向き合える気がした。主人公は、子供や若者にインタビューをする役柄。対話しなければ分からないことってきっとたくさんあるし、相手のことなんて分からないことだらけなんだなって。一つ一つのセリフを、自分にも問いかけてみて。自分の内がどんなことを求めているのか、色々なことを考えた。マイク・ミルズらしい母親との関係の描き方も、また好きだった。子供も色んなこと考えて、伝えようとしてる。自分の内を表現することの尊さや、難しさを感じた。どれだけ、自分の思いを自分で伝えることができるのかな。人と人は全て分かり合うことなんて出来ないけれど、相手の声に耳を傾けてどんな人なのかどんなことを思い、感じているのか、今みたいなときだからこそ対話を大切にしたいし、自分ももっと自分の心の声に耳を傾けたい。もっともっと知りたい。人生ってきっとどん底でクソなときもある。だけど、それでもすすまなくちゃ、前に。前に。前に。そんなふうに思わせてくれる、本当に温かな作品だった。映画館で観れてよかった。間違いなく傑作。生涯大切にしたい作品。これから先、迷ったとき悲しいとき嬉しいとき何度でも見返したい。