NYのラジオジャーナリストとして働く主人公は、LAに暮らす妹から甥っ子の世話を頼まれる。仕事の関係上NYへ戻る際に、甥っ子も連れて行くことに。取材を手伝ってもらう。
会話劇のはずだが、この2人はあまり多くを語らない。
ジェシーが一方的にジョニーに質問するだけで、別にジョニーは質問に答えていないのだ。
いや、答えられないのか。
大人になると、なぜか子供が苦手になる。まあ私もその中の1人なのだがね。
私は月1で会う甥っ子にでさえ人見知りするのにな〜。
なんか子供と話す時って、汚いものや希望を無くさないようにって、めちゃくちゃ気使うでしょ!
生きていく内に、知らない方が良かったものとかが、段々と増えてきて、自分の心にも知らないフリするようになるのよね。
だから何が言いたいかって、うちらってみんなジョニーだよな。
だからこそ、ラストにジェシーに向かって感情をぶちまけるシーンが、より印象的になるのよね。
というか感情を知り合わないと、コミュニケーションが取れないねー。ということを108分かけて教えられた映画だったね。
でもここは、オマケに過ぎないところが、この映画の魅力なんだよ。
本当の主題はこれじゃないのが贅沢な映画なんだよな〜!
今作は、次世代の未来を担う子供たちに”未来や世界について”インタビューするシーンが多々出てくるだろう?
2人の会話と、NYに住む子供たちが大きなテーマについて語るシーンが交互に重なっている。
この次世代の”声”に耳を傾けることが、この映画の主題なのだ。
そして次々答える子供たちに対して、ジョニーという大人が答えられないという事実がより浮き彫りなるのだ。
この声を全て書き出したのだが、割愛して私が好きなやつだけ共有してやろうな。
”僕が怖いと思ってるのは孤独かな。だって、人間っていうのは、相手を理解しようとしても理解できないから。味方がいないようでとても怖い。”
”ママはいつも言うんだ。泣く子は嫌いって。だけど一度ママに言ったんだ。僕は泣くかも。人間は泣くんだよって。でもママは「あなたは強くならないとダメよ」と言った。そのことが何よりも嫌だ。”
”言葉じゃ傷つかないと言う考え方が、ものすごく辛い。相手を知らずに批判し、知ろうともしない。私と育ち方が違う。相手に対する考え方も。”
”誰もがストレスを抱えた状態でいたり、心を閉ざすのが嫌。お互いに話もせず、現実の人生から逃げてるだけ。自分の感情を表そうとすると、憎しみを買ってしまう。20世紀によくあったことだ。相手をそのまま受け入れず、間違った方法でねじ伏せようとする。今は自由に表現できると思えるけど、そうじゃない。”
”僕の父親は今刑務所にいる。大変なことばかりなんだ。妹は現実を見たがらなかったけど、僕が経験したことを知って欲しくないし、考えて欲しくないんだ。責任を負うべきことが人生には沢山あって、急にそうなって、対応できない時もある。でも責任を負うことに誇りを感じる。妹が大好きだから。”
子供でもこんなに理解し、言語化できるんだから、大人が分からないでどうすんだよな。
子供を侮ってはいけないなと強く感じた映画だったね。どれだけ幼くても会話ができるようになったら、人の気持ちなんて感じ取れるんだろうな。
特に最後に書いた子の台詞なんて、的を射抜き過ぎて嫌になっちゃうよ!もう!
酒が入ると、どう責任を取らないかってことしか話さなくなる私とは大違いだよな!!
タイトルである『カモンカモン』は「先へ、先へ」という意味ということも含めて、そこが主題なのが明らかだろう?調べたら”c’mon”は「さぁ、おいでよ、行こう、大丈夫だから」というスラングでもあるんだ。
この映画が道標になるといいな!私の