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カモン カモンのyukoのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
5.0
ファンタジーに籠っていたいけどそうもいかないということを、子供はちゃんとわかってる。

傷つくだけの存在じゃない。子供はみんな純真でいて鋭いナイフみたいな言葉を秘めている。時には大人を癒すことも。

人生を終える時のこと、死、生き方について考えさせられた。
人は1人で生まれ、孤独を癒すため誰かと出会い、孤独に戻る。

哲学よりも輪郭が曖昧な、美しく儚い抒情詩を一枚絵にしたような映画。人生はその曖昧なパーツを拾い集めては選び、時には捨てて、繋ぎ合わせて残ったひとかけらなのかもしれない。



"スーパーパワーがあったらどんな力で何をしたい?
たぶんその力は使わないと思う。自分でいることがパワーよ"

"僕が怖いと思っているのは孤独かな。だって人間っていうのは…相手を理解しようとしても理解できないから。味方がいないようでとても怖い"

"ママはいつも言う、泣く子は嫌いって。だけど一度ママに言ったんだ。僕は泣くかも、人間は泣くんだよって。でもママはあなたは強くならないとダメよって言った。そのことが何よりもイヤだ"

"責任を負うべきことが人生には沢山あって、急にそうなって対応できない時もある。でも責任を負うことに誇りを感じる"

"そう見えなくてもこれが本当の姿。表紙だけで本の中身は分からないけど。人間もおなじこと"

"僕を愛してくれたけれど、僕のすべては分からない。僕もママのすべては分からない。それでいいんだ"

"多くを学ぶだろう。多くを感じるだろう。快楽や恐れ、歓びや失望、悲しみや驚き、混乱と喜びの中で、自分が来た場所を忘れる。大人になり旅をし仕事をする。もしかしたら子供や孫を持つだろう。長年理解しようとする。幸せで悲しく豊かでー空っぽな、変わり続ける人生の意味を。そして星に還る日が来たら、不思議な美しい世界との別れがつらくなるだろう"

"このことをずっと覚えてる?
たぶんね
忘れると言ったよ
君は思い出せなくなると言った
僕は忘れない
僕も忘れない
そう願うよと僕は答えた
君はひどく落ち込んだ
僕は言った
僕がすべてを思い出させてあげる"

"未来を考えたことある?
あるよ。
起きると思うことは絶対起きない。
考えもしないようなことが起きる。
だから先へ進むしかない。
どんどん先へ
先へ先へ"



先へ進むしかない、先へ先へ先へ
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