ringo

ミッドナイトスワンのringoのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.0

映画の中で東京の夜景がたまに映るたびに、遠くから見ると綺麗で静かな夜景だけど、近づいてみればそんな街に埋もれて必死に何かと闘いながら生きてる人たちがたくさんいて、うるさいくらいの息遣いが聞こえてきそうだなと思った。

身体、精神、仕事、家族、他にも。きっと想像より複雑で過酷なことがたくさんあるんだろうな。
それは凪沙のような人たちに限らず、一果やりんだってそう。一見何不自由なく幸せそうな人でも、大抵の場合悩みと闘って生きている。

なぜだかこの映画を観て、とにかく私は人の痛みがわかる人間でいたいと思った。

自分を守るために生きてきた凪沙にとって、自分ではない誰かのために生きることができた温かい時間。
ウィッグを取り作業着になっても、そこにいたのは健二ではなく凪沙だった。

お母さんと呼ばれた瞬間の笑顔と、一果にバレエを教わるシーンが好き。
ringo

ringo