外面

ミッドナイトスワンの外面のネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

見てよかったという気持ちで溢れている。
画角がこだわりぬかれていて映画監督だなあって思った。ふとした時、特に見て欲しいところの演出が他の映像と群を抜いて違くて強かった。
凛ちゃんのことラスト回想でも出さなかったのはやだ。草薙だけの思い出じゃないよね、どうしてそんな一回目のコンクールで終わりみたいにするの。全員の思いを乗せて踊れよ。原作見たら書いているのかな?原作に持っていくための策ならまんまと嵌められている。
あと主役の子のエンドロールで(新人)ってついてる違和感えぐかった。いやもうめちゃくちゃバレエがうまいのはもちろんなんだけど演技?爆発する演技めちゃくちゃうまかったよな。。泣いているのを見て涙を誘えるのって本当にすごいと思う。2回くらい爆発して泣く演技あったと思うけど、綺麗に演じるだけじゃなくてその涙で他の人を泣かせるのってまじでむずいと思うんだよな。。あと顔が乃木坂のやんちゃんに似てて可愛い。ターン綺麗。廊下で制服で踊りながらのシーンあるけど制服のスカートと画角と上手さが相まって最高だった。天才???箸の持ち方と食べ方も役に入っていて細かい演技ができているなって感じ。
映画はやっぱり一人で見るものだし、こう言う映画の時は絶対にハンカチを持っていくべきだし、1人映画しか勝たん。町田のよく分からないショッピングモールに夜一人で来る意味があった。本当に東京に出てきてよかった。強制的に暗闇で静かに拘束される映画館というものは色々なサービスが増えてどこでも映像を楽しめるようになったからこそ貴重な体験になるなと何回も思う。人の少ない夜の映画館で広々とこの作品に入り込めてよかった。
音楽誰?マジであのピアノの音だけで泣ける(言い過ぎ)。なんで限られた音階で今までにないそれでいて映画に合った感動的な曲を作れるの?天才すぎて意味わからん。帰り道曲聴こうと思っても他の音を入れたくなくて結局サントラをダウンロードしてずっと聴きながら帰った。
ラストの無機質なエンドロールと感動的な曲で終わったなーってさせた後ぱって画像みたいな短い動画出すのずるい。煙草の白い煙に続くように白鳥の娘がいて、美しい。
海の映像綺麗すぎてMVに出来る、
予告作った人上手いな、、はじめてかんじたかもしれん、、長いから全部を理解した気になって見に行ったけど見えていない部分の方が圧倒的に多いし(それはそうなんだけど)。凛ちゃんとかの部分全く使わずにあの予告は天才。あと迎えに来たシーンもよく考えたら娘のためを思って親にカミングアウトを厭わず迎えに来たマジででかいシーンなのに他の映画でよくある展開みたいに見せてるのすごいな、、。草彅剛が娘の頬に手を差し伸べるシーンもどうせ病に伏せているんだろうとは思っていたけれど、あの映画の衝撃的な映像はまじで忘れられん。サラッと予告に入れるのうますぎる。世界の映画製作者はみんなこの予告作った人にお願いしな、、、、、あと海の手を離すシーン流石バレエやってる娘と激強俳優になった草彅剛って感じ。手の残し方も美しく儚いし目が見えてないけど寂しい何とも言えない草彅剛の表情も全部強い。。
バレエいいな、なんで習わなかったんだろう。今まであんまりやりたいと思わなかったけどこの映像と美しさみてやりたくなった。あーお金どこ、、、、、あと三半規管の強さ、、、、、、、
草彅剛が女でしかなくて男であることを忘れる。娘への近付き方(ハグとか顔寄せるとか)が男っぽかったけどそれ以外の立ち振る舞いがマジのマジで女。映画見たあとに草彅剛のYouTube見たけど顔立ちが同じなだけの別人すぎて演技をすることってこういうことか、、って怖くなった。
水川あさみのやさぐれ感本物?ほんとにこういう人?って感じさせるガチガチの演技力な。あと細かいけど草彅剛のお母さんが女になったことを受け入れられない悲痛な叫びとかが聞いてて本当に苦しくなった。
ジェンダーのことは結構日常で考える機会があるから考えが改まったとかはない。どっちかと言うと踊りと表現の方にフォーカスしてた。コンクール、ライバルと友達、さいのうがあってよかったね、と才能がない私は見てて感じた。まあそういうことじゃないんだけど。
こういうのって褒めれば褒めるほどうすくなるんだよな、、YouTubeの予告に沢山書かれた賛辞を見てなんか薄く感じてしまった。賞とか、何回みたとか、愛とか、ジェンダーとか、そういう文字に表せられる感想なんてものは結局どうでも良くて、これを私が映画館で見れたという事に価値があって、ただそれだけ。語彙力があれば伝えられるかもと思ったけどやっぱりこれは言葉に表すものじゃなくて一人一人が見て体感する作品なんだよな。結局誰かが言ってたからとかじゃなくてこれを見て自分で感じた全てが過不足なくその全てであるというか、、。正解も不正解もないな。これを見て私が感動したことは確かだった。この言葉に出来ない気持ちを大切にしたい。

まじで心に残り続けて思い出し続ける持続力で言うとどの映画より強い。あのバレエシーンと音楽をまた劇場で見たいな。
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