孤独な2人が出会うことで紡がれる美しく儚い物語。できれば2人共に幸せになって欲しかった。
母になれない、女になれない、何者にもなれない、世の中から化物扱いされる、そんな絶対的な孤独を感じながら生きなければいけない辛さに、少しでも多くの人が寄り添えるようになったら、この社会も少しはまともになるんだろう。
この物語に登場する大多数の孤独な人達は、社会という尺度で自分の価値を決めてしまう。
それも致し方ない。そうならざるを得ない環境に置かれているわけだから、彼ら彼女らに、それでも生きてるだけで価値があるんだよなんて、軽い言葉は言えない。
しかし、どんな過酷なな状況であったとしても、たった1人でも、自分を受け入れてくれる人がいるだけで、人生は明るい方向に切り開いていく可能性があることをいちかは教えてくれる。
自分が誰かに取ってそういう存在になり得たいし、自分を受け入れてくれている全ての人に感謝したくなった。
2021-22
