鹿shika

ミッドナイトスワンの鹿shikaのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.1
新宿のショーパブで働くトランスジェンダーの主人公。ある日、育児放棄にあっていた親戚のJK一果を預かることに。最初は干渉しない主人公であったが、彼女のバレエに心打たれる。

まず音楽が綺麗だったよな。
調べたら相対性理論と曲作ってた人で、知ってる人だったので嬉しい。
でも最後の海辺でのダンスシーンの曲が一番良くて、プレイリスト探したんだけど、
なぜかその曲だけなかった、、YouTubeにも、、
曲名は“sea”よ。見つけたら、、誰か、、

私にもトランスジェンダーの友達がたくさん居るし、
最近、トランスジェンダーのママがやっているダンスバーに行ってきたばかりだったので、他人事とは思えなかった。

「あんたは私が守るけぇ。な?
私だって一生懸命 この子を守っとるんじゃ!
1人で子供育てんのがどんだけ大変か、お前には分らんじゃろ!」

「守ってなんかないでしょう!?
一課の腕こんなんにして!バカ!バカ!バカ!バカ!」

「一果、私ね 女になったからお母さんにもなれるのよ。
一課のお母さんになれるの。」

この喧嘩のシーンに心を抉られた、、
それを子どもの前で言ってはいけない。子育ての大変さは分かる。
私も知り合いに「育てたこともないじゃん」と言われたことがある。
そうよ!I knowよ!だけどその覚悟を持って決心したのは他でもない貴方なのよ。
人1人の命を、人生を創り出すということが、大変で済む訳がないだろう。

そして去るシーンでクロコの型押しのピンヒールから、足首まである真っ赤なロングコートを、足元から写す撮り方が綺麗すぎた。
この実家に帰るのも死ぬほど嫌だっただろうに、勝負の色を着ているところに、
意思の固さと、壁に立ち向かうカッコいい女性を感じることができた。
このシーンは名シーンだわ。

ほんで お姉様方って、女性より女性なのよね。
ハイビスカス江様たちみたいに、お下品なお姉様の方がTV出演が多いけど、
いやカス江様たちは、素晴らしいことしか言っていないよ!
下ネタ絡めて笑わせてくれるの、まじでずっと聞いてたい。

まあカス江のことは置いといて、、
私が出会ってきたお姉様方は、言葉遣いも、所作もとても綺麗なのよね。
私の周りにはいないが、作中では 心無い客から、馬鹿にされたり、見せ物にされたり、比較対象物として見られたり、、
人口が少ない分、そのような扱われ方は避けられないとは思うが、
もう令和だぜ〜!!生きてるだけで十分だし、
女の心を持つ人は、問答無用で可愛いのよ!
時代遅れは黙って道開けな?
鹿shika

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