ケルチャン

ミッドナイトスワンのケルチャンのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
3.6
重い映画だと思っていたが、すんなり見れた。心にスッと入り込んでくれた作品。自身がちょっと落ち気味の時に鑑賞したからかもしれない。
すごく良かったし草彅くんの演技力に圧巻。一果役の子もすごく良かった。最初の辿々しい感じがバレエの上達に合わせてみるみる魅力的に。本物のバレリーナと思うほど美しかった。彼女の将来楽しみだ。

映画の内容の方は、いろんな立場で辛い。
一果の生い立ちはしんどくて、東京に行ってバレエに出会って救われた部分はあるけど、友人関係、義母?への申し訳なさ、急に現れた実母、そしてようやく義母と再会できたのに永遠の別れ。子どもにこんな色々背負わせないでよ。と思った。
凪沙の一生も辛い。
いろんな胸の内を抱えて生きていて、ようやく穏やかに過ごせる兆しが見えてきたのに、実母の出現。もう色々疲れちゃったのかな。ケアを怠ると感染症とかあるんだね。知らなかった。もっと早く再会できてたら違ったはずなのに。
最後も辛くて。でも一果に会えて安心して安らかに眠れたのかな。きっとそうだよね。
一果は強く美しくこれからも踊り続けると思う。
負けないで。未来は自分で作れる!
でも凪沙のように助けが必要な人にもっと手厚いフォローをしてあげるべきだと思う。
仕事も職場も自由に選べない現状が今もあるよね。なんで自分が。私が何をしたの。って思うよね。今の日本は当事者にならない限りどこか他人事。妊娠出産育児でそれは身をもって経験した。それよりももっと稀なLGBTの方々はもっと肩身が狭い思いをしてるはず。
どうにかしないと。今が未来を作るのに。
悲しい思いをしてる人が少しでも減りますように。