Soflan1250

ミッドナイトスワンのSoflan1250のレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
2.5
故郷の広島を離れ、新宿のショーパブで衣装に身を包み直向きに生きるトランスジェンダーの凪沙。
ある日、母親からの頼みで育児放棄にあっていた姪の一果を預かる事になる。

まず始めに、本作は私との相性が非常に悪かったせいか、以下酷評なので本作に良い想い出のある人は読まないで!


それでは…
本作に対する印象を一言で言い表すのなら「薄っぺらい」という言葉が適当だろう。

公開当時も現在も、泣ける邦画として挙げられる事が多いけれど、正直どこに感動するのかが微塵も分からない。

どうして本作を薄っぺらいと表現したのか。
何を伝えたくて作られた映画なのかが全く分からなかったからだ。

まず、諸々を端折りすぎなのではないか。

例えば、一果の同級生が屋上から飛び降りてしまったけれど、その後誰もそのことに触れていない。
靭帯が断裂してバレエが出来ない身体になってしまったことが原因だったの?
それとも性同一性障害で一果に報われぬ恋をしてしまったことが原因だったの?

一果のバレエに対する才能が突出してたとはいえ、あんなとんとん拍子でスカラシップまでとって海外進出までするのか。

それに、終幕あたりで一果が入水自殺をしようとして、急に海外留学する描写に切り替わる訳だけど…あれは何だったの?もう何も語らないの?ねえ、教えて⁈⁈


それと、悲劇の押し売り感が凄まじかった。
凪沙が性転換手術を終え実家に戻り、一果を取り戻しに来る。その際に、一果の母親の彼氏と取っ組み合いになり、凪沙の胸が1分間くらい丸出しになる描写がある。

その後、一果の母親から「化け物」と発せられたり、凪沙の母親が子供のように泣きじゃくる訳だが、まるでこれらを引き出すために用意された描写。

トランスジェンダーの様相は側から見て化け物だと感じさせる為に撮ったのか?

監督はインタビューで「あくまでエンタメだから。LGBTについて考える足掛かりになってくれたら、それで良い」と述べているけれど、色々と無責任すぎない…?

まだまだ言いたりないけれど、もうこれで終しまい。

こんなに散々に酷評したけれど、バレエ教室の先生が凪沙のことを無意識に「お母さま」と口にしてしまい、凪沙が微笑む描写は素敵な描写だった。
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