実の母親に、本当の自分と向き合ってもらえないふたりが不器用ながら心を通わせたときに起こった、
最も美しくて残酷で、絶望と救いが入り交じる物語。
一緒に過ごした時間の長さは関係ない、しっかり向き合って、きちんとした人間に育ってほしい、できるだけの夢を応援してあげたいと思う慈しみ深さ、自らを犠牲にしてもそのためなら何でもしてあげる気持ちこそが母親なんだと感じた。
(もちろん育児放棄してるとはいえ、女手ひとつで中学生まで育てた母親も、親には違いないのだけど)
イチカちゃんのバレエは人を惹き付けるものがあって、なぎささんや先生が彼女に捧げようとする気持ちに説得力が増した。
ネグレクトのせいで人間らしさを失っていたけど、なぎささんや親友、先生、そしてバレエのお陰で、人間味を帯びていく様もリアリティーがあり、女優さんとしても素晴らしい。
音楽に聞き惚れていたら、渋谷慶一郎さんだった。