「流行ってますよね、LGBT」
この言葉を聞いたとき、同じようなことを何のためらいもなく一度は言ったことがあるだろう自分に腹が立って、悔しくて、涙が出た
その隣にいた女性、LGBTに理解があるのではなく、理解がある善人な自分がかわいいだけなのでは、そしてそれはわたしも同じなのでは、とかいろいろ考えて、そんな自分もそんなことを思う自分もいやになった
当事者にしかわからないことを知りたいと思うのは単なる好奇心でしかないのかな、迷惑なのかな
知ったところでわたしにできることなんてなにもないのにね
すべてのシーン、ずっと苦しくて、嗚咽を抑えるのに必死だった
一果のバレエを見ているときだけが幸せな気持ちでいられた
あのピアノの音がどうしようもなく美しくて、生きてほしい、って強く思った 光のようだった