何と言葉にしたらいいのかわからない。私にはまだ、この作品の感想をまとめることができない。観ながら、どういう感情からくるのかわからないままずっと泣いていた。そこにある全てが不確かで脆くて、それでも唯一確かなものは凪沙と一果の不思議な絆で、それを頼りに観ていた気がする。
私は彼らを知ることができないんだなと思った。感じたのはただただ無力感。この作品を観てどう思うべきなのか、どうしていくべきなのかがまるでわからない。私には、こうして考えることしかできないのかもしれない。それでも、この映画に出会えてよかったと思う。
草彅さんの、脆さと優しさと強さを併せ持つ雰囲気が、凪沙にとても合っていたと思う。そして一果役の子の存在感。最初の生命感のなさが、諦めや不信などとともにじんじんと伝わってきた。
私は、これからも考え続ける。この世の中に「普通」なんてないと、改めて心に刻んだ。生きにくい人々が、出来る限り生きやすい社会になるには、どうしたらいいか。一生考え続けるのだと思う。
