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ミッドナイトスワンのBeeのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.6
近年の邦画の中だったら絶対にトップ5はいるレベルの文句の付け所がない作品だった。挑戦的であり、同時に妥協がない。

この作品を語る上で主演の「なぎさ」を演じた『草彅剛』を省くことは不可能だ。「新しい地図」になってからYouTubeなども初めて色々と挑戦してきた彼だが、今回はまた難易度が高いことに挑戦したなと感じた。観た人ならわかると思う、彼が劇中で見せる表情が『女』なのだ。思わずスクリーンに釘付けになった。
最初は「いちか」を煙たがっていたが、自分の中で『母性』が生まれて『親』になろうとする、その劇中での描き方が胸にくる。彼が起こした行動は彼の人生の決意であり【けじめ】だったのかもしれない。

なぎさの話だけ濃く描かれる訳ではなく『一果』のバレエの「才能」とその友人の抱える「苦悩」あたりもしっかりと描かれていたし、本当に濃密な物語になっている。

そしてこの作品と私が結びつけたのが「ジョン・キャメロン・ミッチェル」が監督主演を務めた『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』だ。この作品もトランスジェンダーを描いた作品であり、性転換に失敗した際に残った1インチの大きさのペニスを付ける男性と女性の間にいる人間の話だ、劇中のなぎさとヘドウィグが個人的には重なった
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