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ミッドナイトスワンのottamaのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.1
痛い…切ない…
凪沙さんにもっともっと一果の成長を見守っていて欲しかった。
二人の心の交わりが、一果の成長とともにどう変化していくのか、観てみたかった…という心残りと願望を込めて少し減点。

とはいえ、出演者がとても素晴らしい。
凪沙さんも一果も、片平先生も、自然とそこに存在していて、何というか純粋な愛に包まれている。

一果は少しずつ変化していく思春期の表情が絶妙で、とにかく佇まいが清らかで美しい。

草なぎ剛の愛情に満ちた温かい表情は本当に母性を感じたし、切なさと激しさの緩急は息を飲む。役者の凄みを感じた。


ちょっとすぐには気持ちを切り替えられないものを観てしまったな…



追記:

一夜明けても、凪沙さんが頭にちらつく。
朝化粧水をつけながら、凪沙さんの匂いってこんなかな、とか。

LGBTの議論は活発になりつつあるけど、身近にいない場合はメディアで得る知識になりがち。ニューハーフタレントは増えたが、みんな明るくて似たような雰囲気の人たちで、本当はもっともっと色々な人たちがいるはずなのに、勝手にイメージが固定化されてゆく。それが認識のズレに繋がったり、役割の押し付けをしてしまったり。

ぐるぐるぐる、色々な思いが湧いて止まらない。ちゃんと人の心に残る映画だったと思う。
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