笹川パンダ

Liberté(原題)の笹川パンダのレビュー・感想・評価

Liberté(原題)(2019年製作の映画)
1.2
この映画に惹かれる人は、思想を評価するのだろう。画面は退屈。
アートに手を出す監督に限って美に関するセンスが乏しい気がする。
夜や森は遮蔽の役割を担い、且つ性器も基本的にはあまりよく見えないように撮っている。ただそれって昔からよくやられている目新しさも何もない手法。日活ロマンポルノでよく見るよね。
上映前に「ショック」や「驚き」という言葉が使われていて、確かにそれはある。しかし、映画的な驚きではない。他人の裸を見れば大半の人間はそれなりに普通驚くのではないかと思う。それを映画的な驚きと錯覚する人は画面を見ているのではなく、やはりその発想を見ている。映画を観なくても分かることだろう。
芝居が全体的に緩慢で起伏が欠如しているために、さらに驚きがない。
裸も慣れればどうでも良くなってくる。
上映時間も長い。被写体との距離、ショットの収め方にセンスが乏しい。黒の発色が悪いため、夜の魅力もあまり感じない。この手の映画って昔から沢山ある気がします。劣化パゾリーニといった印象。
関係ないけどトーク時の青山真治の質問は鋭くて良かった。苦手だけど。
笹川パンダ

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