名無しののんべぇ

男の優しさは全部下心なんですっての名無しののんべぇのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

好きになった男の二番目であり続ける宇田みこ(24)。「恋愛すなわち人生」から始まる本作はまさに恋愛模様から彼女の人生が浮き上がってくるような魅せ方をしてくれた。

タイトルにも表れているが、自分に舞い降りる惨劇の数々をある種冷めた目線で綴っていく。彼女の周りを取り囲む強烈なキャラクターに対して、彼女の異様な脱力感が癖になる。25歳直前にして諦めの境地に足を踏み入れるギリギリの心理状態をうまく表していたと思う。

頭から離れないのはやっぱりラストシーン。ぐるぐると回っていくだけの人生にケリをつける覚悟を持って臨んだ、最期のメリーゴーランド大集合。風船(=欲求?)が自分の身から離れて宙に浮き、これまた冷めた目で放つ「私は25歳になった。」が良かった。