一生で1回きりしか観ない映画だろな。ぼんやりとそんなことを考えた。冷静に考えれば、2回以上観る作品の方が圧倒的に少なく、数えられる程度しかない。それなのになぜか、わざわざ、もう見ないだろなと頭に浮かんだ。決してそれは「2度と見たくない」でも「見なきゃ良かった」でもないのだけれど。
ヒューマンドラマ×サスペンス作品は好んで観るけれど、それらのほとんどは明るい気持ちにさせてくれるものはない。なのである程度の覚悟というか、「宣誓！観賞後暗い気持ちになっても重い気持ちになっても致し方ないとし、作品と向き合うことを誓います！」ってな気持ちで挑む。それでも率先して観るのは、役者さんの演技を堪能出来る絶好の機会だから。
それにしても、こんなにも感想が書きにくい作品は久しぶり。今年観た作品の中ではダントツで感想が書けない。もしこの映画を、そんなに親しくない人と一緒に映画館で見たとしたら、見終わった後何話して良いか分からないだろな。無言で駅に直行。むしろ、ぺらぺらと話しかけられたら苦痛かもしれない。キャストとタイトルでチョイスして、撃沈した若きカップルがいないことを願います。
これが「ファーストラブ」だなんて、あまりにも哀しい。作者の島本理生さんよ、なんて罪なタイトルを。
