原作未読。
公認心理師として活躍中の真壁由紀は、父親を殺すも「動機はそちらで見つけてください」と話す聖山環菜の取材を担当する。若き殺人者の闇を探る過程で、由紀は自身の過去とも向き合うことになる。
この手の作品は、想像を超える悍ましい真実が暴かれるのではないかと観客の好奇心を刺激します。予想通り、序盤は環菜のサイコパスぶりが強調されており、その演出が更に期待を高めます。生い立ちに意外性を感じるかは観客次第です。多感な時期に充分残酷な目に遭ったことは間違いありませんが、自分は決して特別な不幸ではないと思いました。むしろありふれていると言えます。事実は小説より奇なりで、残念なことに、現実にはもっと過酷な環境が存在します。逆説的に考えれば、そうそう悲劇のヒロインにはなれませんので、似たような経験があっても絶望する必要はありません。
良かったのは、美しく育った娘に対し、一部の母親が抱く醜い嫉妬心を描いていた点です。男性陣の所業を放置する彼女達も共犯者です。
一筋縄では行かないのかと思いきや、環菜が別人のようにケロッと素直になって公判に臨んでいたのは、由紀の奮闘のお陰ということでしょうか。
主演のお二人は、大学生役でも全然違和感がないですね。
初デートで髪を切ろうとする奴なんて怖すぎて引くし、逆にパーフェクトだと色々勘繰ってしまう😅。変態確率の高い母集団に対して、女性は信用と不信のバランスを真剣に鍛える必要があると感じました。
「辛いことから救ってくれたのは、血を流すことだけでした。」
