品川巻

由宇子の天秤の品川巻のレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
4.3
塾のシーンが始まった瞬間、一気に緊張感が走った。
河合優実は、今後日本の映画界を牽引していくんだろうな。日常と演技がこんなに繋がっているような女優さん、久々に見たかもしれない。

作品に関しては、先日観た『プライマ・フェイシィ』が想起される。どれだけ自分が身を挺し、相手のためを思って働きかけても、所詮、守る相手は「部外者」であることに変わりない。
マスコミ側の「他者批判はしつつもマスコミ批判は許さない」姿勢も含めて、身内と部外者の意識の違いが顕著に現れていた。

「家帰ったらあいつ勉強してて。明日雨っすわ」
あんなに嬉しそうに呟いていたあの人が、時たま見せる暴力性に身構えてしまった。
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