HidekiIshimoto

由宇子の天秤のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
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腐ったにっぽん詰め合わせ映画の真打なのかも。『空白』がそれっぽくていまだ観る気起きないんだけど、これは油断して観てしもた。なんで観る気起きないかというと、最近のその手の邦画からは問題提起や問題告発以上に、問題のインパクトを売りにするような臭いがするから。大島渚や今村昌平の映画には全くなかったそんな臭い。まあ俺の鼻がおかしいだけかも。けどあの時代の映画作家達は問題の外に視座を持ててた気がする。問題を放置しすぎて誰もが問題の一部になっちゃったような現代では、エグい問題盛り合せでインパクト高めるしか出来なくなってる気がする。結果盛りすぎで絶望がヘンな方に舞い上がっちゃってる気がする。もっとカウリスマキみたいな正しい絶望の仕方があるって気がする。まあ俺の気が狂ってるだけかもなのでこれまたスコアつけられず。もう長年の筋金入りドキュメントで例外的に視座を保ってるような森達也監督の初フィクション『福田村事件』観るしかないんだけど、プロットだけで正直メゲる。映画くらいはカウリスマキで勘弁してって感じ。