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アントマン&ワスプ:クアントマニアのatsushiのレビュー・感想・評価

3.7
監督ペイトン・リードが続投、脚本に『リック&モーティ』のジェフ・ラブネスを迎え(シュレディンガーの猫の映像化は彼のアイデアなのでしょうか?良かった)、来たるアントマンの三作目はフェーズ5の幕開け。インフィニティ・サーガのサノスに続くヴィラン、カーンの銀幕デビュー。量子世界をまるで宇宙のように描く、擬似『スターウォーズ』体験。

ここで私は語りたいマイケル・ペーニャの不在を。これまでの二作に通ずるのは、作品全体を貫く底抜けの明るさ、限りなく市井の人々に近いヒーロー像、小さな物語。そんな作品を下支えしていたのはポール・ラッドは勿論のこと、マイケル・ペーニャもその筆頭だったと思うのです。そういう意味で今作と過去作との違いは、マイケル・ペーニャの不在が実は大きな要因のように思うのです。しかし、思わぬ収穫もあります。彼と入れ替わりで今作に入った、カーンを演じるジョナサン・メジャースです。ドラマ『ロキ』からその存在感を感じてはいましたが、まさかここまで魅力的なヴィランに仕上がっているとは。それは彼の素質、技術によるところが大きいでしょう。絶対的な強さに畏怖の念を感じざる得なかったサノスとはまた違う、何をしでかすかわからない不安定さが醸し出す恐怖には、終始ドキドキでした。とにかく彼の今後の活躍には目が離せません。

マイケル・ペーニャの不在と真打ジョナサン・メジャースの登場。かくして今作はシリーズ三作目というよりもMCUフェーズ5の一作目になったということでしょうか。そう思えば、劇中スコットが感じる微かな不安が、今後のMCUの飛躍に相似することを期待するしかありません。

2023/2/18 1回目 IMAX レーザーGT 3D 字幕
【2023年46本目】
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