バルべ

アントマン&ワスプ:クアントマニアのバルべのレビュー・感想・評価

3.2
疲れてしまった。今後もこの出来が続くならばずっと見てきたこのシリーズも挫折してしまうかもしれない…

まず根本的な問題としてキャラの魅力が見えてこない。それぞれの間にある家族愛みたいなものは良いと思えたとしても、それを支える支柱であるキャラ自体の深掘りに時間を割けていない。大きなシリーズなので次に繋がる何かを残さなければならないのは理解できるが、また説明パートかよとうんざりするシーンは少なくない。

そして量子世界。非常に面白い概念ではあるが、可能性やらシュレディンガーやらマルチバースを意識しすぎて(させすぎて)、その辺がアントマン作品だから出てきたワードなのか、今後マルチバースサーガにおいて頻出のワードなのかごっちゃになってしまう。前述のように説明が多いにも関わらず、100%観客に理解させることができているとは到底思えない。

そしてそして何より既視感。これまでのアントマンは人間の日常に対して大きくなったり小さくなったりしていた面白さが受けていたのに、それを一掃しただのStar Warsごっこを見せられた気分。戦闘でとりあえずいっぱい出しとけのノリはEP9で十分。

演技や技術はMCUなので申し分ないし、所々熱いシーンはあるので、2点台のスコアをつけたりはしないが、一本の映画としてもっと面白くあってくれというのが正直な感想。
バルべ

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