バズ・ラーマンは好きな監督ではあるが彼がエルヴィス・プレスリーのバイオグラフィーを映画にすると聞いてどうなるのだろうという不安があった。
プレスリーという自分にとって何も思い入れの無いアーティスト。
バイオグラフィーとロミオ+ジュリエット、ムーラン・ルージュ的な絢爛豪華な手法。
あまりピンとこない印象。
開始からエルヴィスがスターにのしあがるシークエンスは実にバズ・ラーマンらしい早いカットをスピーディーに繋げエディットされた音楽や分割スクリーンでグワーッと盛り上げる。
これで最後まで行くのか?と思ったら中盤からラストは実にオーソドックスにストーリーに沿った演出がされていた。
やられた!物語にぐーっと惹きつけられた。
アメリカショウビズ界とラスベガス。
プレスリーという最後まで愛の人だったアーティスト。
オースティン・バトラーという素晴らしい俳優。
それを知れた事はとても大きい。
3時間弱の中に彼のほぼ全てのキャリアが網羅されている傑作。