せいけ

エルヴィスのせいけのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.7
独特なバランスの伝記映画
エルヴィスとパーカーの関係性をメインにパーカーの視点から描かれる
パーカー役をトム・ハンクスが絶妙な塩梅で演じているので擬似的な親子関係に暴力性も切ない温かみも微かに感じられる気がした
本当に微かだけど
エルヴィスの視点が意外なほど少なく若干何を考えてるか分かりづらくも感じるけど、本作ではそれがむしろこの映画のクールさを底上げしている
ドライなタッチでエルヴィスを描くことで彼の音楽のかっこよさがソリッドに浮かび上がる
余りに短いエルヴィスの人生を描くには、バズ・ラーマンは最適の人選だったのかも
素早いカットの切り替えとシームレスな編集、ゴージャスな映像美はさすが
オースティン・バトラーも本人と似ているとか途中から考えもしなくなるほど、今ここにいるエルヴィスの存在感を体現していた