ぴよさん

エルヴィスのぴよさんのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.4
DUNEから一変、オースティン・バトラーの振れ幅に驚きを隠せない
息子から離れられない母親、前科のある父親、ファンと大衆との板挟み そしてやはり避けられない薬物との関わり
過酷すぎるライブに耐えるための大量の薬物投与、衰弱死 マイケル・ジャクソン然り、著名な人物は皆彼らのような去り方をする 終盤の語りでジャクソン5が軒を連ねていたけれど、この頃の彼はそうなる事など知る由もない

トム・ハンクスが演じる大佐の、あの身を全て預けられない懐の不明瞭さ、ハイエナの様ながめつさはずっと不快なの凄かった
大佐のエルヴィスの売り方、まんまスターウォーズの当時の販促と同じだな
商品ではない、人間なの
自分の知らない所で新曲作って泣いてるのちょっと微笑ましかった 感動してるようには何故か見えなかったんだよな

プリシラとの出会いにスポットを当てた視点をコッポラがメガホンを取る新作で観ることが出来るのかな、楽しみ
彼女の目にはエルヴィスがどう映っていたのだろう
車中でエルヴィスがプリシラと挨拶を交わすところ、苦渋の決断でプリシラの字幕に'ハーイ'って付けたのかと考えると一抹の想いが伝わってくるような
ファンとのキスを目の前で目の当たりにするプリシラ、'浮気なんて'と去り際に言っていたのは薬に比べたらという前置きがあって初めて成り立つ

音楽性に出生がダイレクトに関わっていた時代は、目を疑うような法律や規制が当たり前に介在し、それがまかり通っている まさしく激動の時代だ
ビートルズの台頭や、ロックンロールの黎明期でこそあるものの、この当時を経験してみたかったとはやはり思えない

シャロンテート事件やケネディ暗殺、B.B. Kingの1件など、Once upon a time in a HollywoodやJackieが呼び起こされ、ノーラン作品よろしく時系列が繋がっていく

Captain Marvelわたしも好きだよ
Jr.はわたしも知らないので勉強するね

音楽の映像作品はやはりライブに限る
最後の演出や彼の栄枯盛衰を知られたのは素晴らしかったけれど、カメラワークの忙しなさや魅せすぎる演出に目がいってしまった ボヘミアン・ラプソディもいつか観ることがあったらハードルを少し下げて臨むことにしたい
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