ミュージカル作家の伝記をミュージカルでやる、っていう変わった、というか、よほどの覚悟、リスペクトがないとできない思い切った取組み。ミュージカルパートは素晴らしく、哀しくも耳触りの良いメロディーばかり。何より、アンドリューガーフィールドが素晴らしかった。
スパイダーマン、アンダーザシルバーレイクの印象がつよい彼が、純粋で弱気で儚く笑う様を演じていたのが、意外というか、その底力のたくましさに驚く。笑っているのに、目が哀しいところがすごく好き。きっと厳しい世界にはなじまない、純粋なキャラクター。私小説的に、剥き出しでひたむきで、きっとたくさん傷ついたろうけど、だけどそれが彼の、彼の作品の良さでもある。
友人のマイケルも、やさしい劇場支配人も、ヴァネッサハジェンズらの歌声も良かったけど、スーザン演じるアレクサンドラシップがすごく良かったなぁ。彼女もまた目がやさしい。歌うシーン、歌うところを見ているシーンがとても良かった。
歌声も、曲も、気の効いたロケーションも良かった。近くの映画館で上映してなかったから、配信で見れて良かったなとも思うけど、これは映画館で見たかった。もっとたくさんの映画館で上映すべき作品。実話ベースなのでスコアはつけませんが、目が離せない、素敵なミュージカルでした。
