電気羊

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!の電気羊のネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

間違いなく自分のオールタイムベスト作品に相応しい作品。
映画館で見て本当によかったと思う。

自分に重なる部分が随所にあって、
心が抉られ続けながらも劇中の素晴らしい
音楽によって掬い上げられ、また抉られの繰り返しで…
なにかわからないけど、そのわからない"なにか"から必死になんとか逃げようとしてもがいて、焦っていく。この作品ではわかりやすい形として"時間"という形でも提示している。
ただ、流れに身を任せているだけでどんどん時は進んでいくけれど、なんとかその平坦な時間の流れから脱したいという漠然とした何かがある。
そんな人が自分以外にもいるんだと感じられるだけで少し救われる気がする。

主演のアンドリューガーフィールドが本当に素晴らしい。彼の歌声を初めて聞いたけど、伸びやかでチャーミングな歌声の中にいろんな感情が色として散りばめられていてずっと聴いていたい。
お芝居の緊張と緩和のバランスが凄まじい。
冒頭の登場シーンから惹きつけられたままラストを迎えた。素敵で切ない余韻。
電気羊

電気羊