Keira

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!のKeiraのレビュー・感想・評価

-
まず、30歳を目前に、ミュージカル演出者の夢と才能を持ちながらもチャンスに恵まれない若者の話だという情報だけで選びました。主人公がもがきながら夢を掴むジャンルが好きなので。
「RENT」を生み出した作曲家、脚本家の伝記だとは知らず、鑑賞中にそのことに気づき、驚きました。「RENT」は自分のお気に入り映画にランクインしているので、その裏側、another side story を観ているようで興味深かったです。
同じ人が作曲していると言われたら、納得する、やっぱり頭に残る曲調と歌詞、強いメッセージ性を感じました。

音楽と映画好きなのに、ミュージカルはハマるハマらないが個人的にあって、ハマらないと大惨事。ですが、これは台詞少なすぎたり、ガッツリ歌にほぼ全てを載せたようなミュージカルではないし、tick,tick….BooM!をtick,tick,BooM!でやっているということに気づき、結構中盤からエンジンかかりました。

30までにキャリアを確立させないとやばい。
30までに結婚しないとやばい。
30までに落ち着かないとやばい。
30までには…!
30の呪いって比較的に年齢に対してフランクな国にもあるんだなと思いました。
私自身もこの呪いにかかりそうになりながらも、闘っている一人でもあるので、すごく共感するところがかなりありました。

鑑賞してるときから、答え(結末は)はなんとなく3パターンぐらいに分かれるだろうなと勝手に予想していました。①華々しくチャンスを掴む②キッパリ潔く諦める③絶対に諦めずに続ける





ここからはネタバレ失礼します。














































結果は③でしたね。
私はこの映画では③「続ける」が相応しい結末だと思いました。相応しいとか正解とか映画に使う言葉じゃないかもしれないけど、実際にご本人も35歳?のときにブロードウェイで伝説的記録を残す「RENT」を手掛けることになりましたし(非常に残念ながらご本人は舞台封切り前日に亡くなってしまいますが)、勝手に年齢だけで自分の夢や才能に見切りをつけるばかばかしさに気付きました。その決断をするのもその人次第なんだろうけど、諦めないことの大切さをまた教えてもらったなと思います。

主人公がそこまでに辿り着くにはマイケルという友人の存在がすごく大きかったですね。彼最高でしたよ…。
主人公が夢を諦めそうになり
「俺はあと数日で30だぞ?」
マイケルが
「だからなんだって言うんだよ」
この一連のシーンが1番印象に残ってます。彼の衝撃の告白も。

また、マイケルの生き方と、ジョナサンの生き方が両極端で、またまたリアルだなと。
マイケルが「いかに恵まれてるか知れよな」と主人公ジョナサンに吐くシーンがあり、マイケルの秘密を知ってからまた泣けてきます。

毎日を噛み締めながら自分の好きなことをして生きていく。このあたりは「RENT」とテーマが非常に重なりますね。

全体的に音楽もストレートだけど
ごちゃごちゃしてなかったので、好みでした。
Keira

Keira