あおい

鬼火のあおいのレビュー・感想・評価

鬼火(1963年製作の映画)
3.5
アル中で鬱病の主人公が以前(青春時代?)の仲間たちに会う毎に"あんなに情熱的だったのに、変わってしまったわねえ"みたいなことを言われるのだが、
あれは天丼的な面白さがありつつも、主人公のバックグラウンドをインサートすることなく、観客に(想像させ)見せるという効果を発揮していた。終始陰鬱な雰囲気が漂っているが、陽の部分も見せることでより陰の力が強くなり、この手法はスッキリとした形で映画の幅を広げていた。

カフェドフロールでパリを行き交う人々を目で追った後酒を飲んでしまうあのシーンに、鳥肌が立ったし超絶名シーンだなと思った。

陽の部分(画はない)から想像するに、鬱の原因は青春の呪縛かと想像できるが、
カフェドフロールを使っていることや哲学的なセリフ、などから彼はダダイストで時代や年齢による周りの変化に(潜在的に)ついて行かなかったのではないかと思った。
あおい

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