鬼火の作品情報・感想・評価

「鬼火」に投稿された感想・評価

この映画で描かれる主人公の苦悩は、公開当時よりも現在の方が身に染みるのではないだろうか。SNSによる対人関係の希薄化より、むしろ社会の閉塞感が強くなっている方が正しいかもしれない。

アランはアルコール依存症が原因で4ヶ月間ヴェルサイユの病院に入院している。症状は既に克服しているが、精神は未だ病んだままだ。彼は7月23日にピストルでの自殺を決意し、ニューヨークの愛人から受け取った小切手を片手にパリにいる友人たちの下へ出向く。

本作はアラン演じるモーリス・ロネに負うところが大きい。ロネは痩せ細った肉体と死んだような眼つきで孤独な男を体現している。パリの街を彷徨い、かつての友人たちや自由闊達な若者たちを見て、自殺への決意を固めていく。

監督のルイ・マルは一人の男の孤独と虚無をクールなタッチで描いている。エリック・サティの旋律も詩的な映像も物悲しさを誘う。ハリウッドであれば絶対に作られなかった一本だ。
s

sの感想・評価

4.0
単調なピアノと どんよりした虚無感
暗いのはなんか違う感じ
ぷらぶらするアングルも 放浪もよかった

だれも留まってくれないなら、
消えて傷負わせてやろうの発想は、ぶいぶい言わせてた20代あってのだな
23に主人公も向かってるんだけど、いつの間にか観てるこっちも向かってるような感じなる
日継

日継の感想・評価

4.6
カメラが生々しい 凄くお上品
緊張と静寂に満ちたラストのカットが凄く良い
早熟なルイマル自身と、作品の主人公の熟され方と、時代の熟され方と…がとても切ない
ルイ・マル監督作。

死に取り憑かれた男の最後の二日間を描いている。

アルコール中毒の治療を受けていた様で
病院を出て かつての友人のもとを次々訪れ様々な人生と接するが、結局 誰とも心のつながりを持てない。
力なく去って行く彼の後ろ姿に、友人たちは死の影を感じとる…。

といったものだが、生きる意欲が低下するような映画。
体調良くないときに観るのはお勧めしない。

音楽はエリック・サティのピアノ曲。
気だるい曲調が 実にマッチしていた。

どこまでも生気の無い作品だが
考えさせられる事もある。

他者との関係断絶は、当然愛というものを猜疑的に見せていくようになる。そして、愛がなければ自己の存在意義を見いだせなくなってしまう。何故なら自分は誰からも必要とされないと思ってしまうからだ。
そうして人はアランのように自殺に走ってしまうのでは無いだろうか。

そういった深い想いが 更に本作を重く
ものにしていた。
ネット

ネットの感想・評価

3.0
ずーっとブツブツ独り言いってるの、わかりすぎて辛い。
会話がメインだが、観念的な話ばかりなのでそれほど面白いわけでもない。死にたくなるほど暗いわけでもない。やはり、死にたくなる自殺映画私的一位は「第七の犠牲者」になるかも。

ジャンヌ・モローの登場シーン、可愛すぎてビビった。笑顔が素敵!モローといえば無表情の印象が強い(死刑台のエレベーター)が、だれがそんなことさせたのだろうと思えば、やっぱりルイ・マルのせいじゃないか?
marica

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3.2
サティの曲が静かな狂気を含んでいて全体を覆う物悲しさに妙にあう。でもどこか私はこの作品から、ひどく陽気な人生の素晴らしさを感じた。 「僕は人生が好きだ。 君の中の代え難いものが好きだ。 君の中にある人生が好きだ。」 の台詞がすき。
lag

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3.6
揺らめく炎。アル中の中年ブルジョワ男が自殺するまでの48時間をErik Satieに乗せて。
guido

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4.5
反抗そのものや分析そのものまで忌み嫌うリゴーにとってはおそらく自殺は必然であり(ボタン穴に自殺を挿して生きている)、この映画ではサティの音楽が自殺のようにロネに寄り添っている

人が死ぬのなんて、本当に小さな塀を飛び越えるようなもので、とてつもない不幸に出会ったからじゃないということ。この人にとっての最も耐えられないことが、他人のそうじゃないというだけ。誰にも理解されたくないようにみえて、理解されたいんだろうというのは偽善者だけが言うことで、そもそも理解されたいんじゃなくて、受け入れてほしいだけ。理解なんてしやしないし、出来もしないくせに。
Hawkwind

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2.5
モーリス・ロネ演じる心と身体を病んだ痛い中年男が自死するまでの48時間を、ドキュメンタリー風に追ったルイ・マル監督作品。
主人公が割と裕福な生活をしていたらしい設定なので話については興味が沸かないが、動くモノクロ写真集といった美しい映像が目を引く。
後半でジャンヌ・モローが顔出し出演。
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