東京、恋人、そして映画。
どれも青春でしかなかった。
どれも夢でしかなかった。
夢というイメージを擬人化したまりなに浸るほど、映画も加速度的に良くなり、彼女と時間的に、空間的に、離れるほど絶望が膨れあがる。
世界はおそらく有限であり、おそらく不自由である。この制約の中で、夢を見ることは不自由で夢を終わらせることは自由という残酷さに後悔と贖罪が纏わり付く。
K'sシネマを出たら雨が降っていた。新宿は生活の場にしか見えなかった。
ストリーミングのおかげさまですぐに東京60WATTSを再生し、ビールを片手に帰路ついたが部屋の寒さにはすぐに音をあげた。