とらキチ

マニカルニカ ジャーンシーの女王のとらキチのレビュー・感想・評価

3.9
劇場公開時鑑賞しましたがCSにて「RRR」の余勢を駆っての再鑑賞再レビュー。
マニカルニカ= ラクシュミー・バーイーは実在の人物で、1857年に起きた「インド大反乱(昔は“セポイの乱”っていわれてましたね)」で自ら陣頭指揮を執り、イギリス軍を相手に勇戦し“インドのジャンヌ・ダルク”とも称された人物。「RRR」のエンドロールでも紹介されてましたね。そんな偉大な女性を描いた作品。
お転婆娘が王宮へ嫁ぎ、聡明な王妃として豪華絢爛な宮廷生活をおくる前半は、歌や踊りもあったりの華やかな映像美で、インド映画らしく楽しい展開。その後は、実の子を亡くし夫にも先立たれるも、国母として祖国独立の為に立ち上がり、民衆を導き闘う戦争スペクタクル。その圧倒的な物量と迫力、そしてラクシュミーの無双な剣さばきを描いた戦闘シーンもこれまた凄まじい。前半と後半で、演じるカンガナー・ラーナーウトの顔付きが全然違っているのが、ホントスゴい。特に終盤の死闘では、イギリスの将軍みたいに、リアルにシヴァ神に見えた。
ただ、どうしてもその結末がわかっているし、ストーリー上“滅びの美学”的な感じでケリをつけるしかしょうがないので、そこらへんは観ていて悲しくなってしまう。
「RRR」で、イギリス人行政官の小役人役を演っていた役者さんが今作でも登場していた。この役者さん、インド映画界でのイギリス人役御用達みたいな方らしく、そういえば「ケサリ」でもイギリス人将校役で出ていたなぁ、というのを思い出した。まぁとにかく「RRR」に続いての、イギリスのヤツらの横暴にムカつき、大っ嫌いになってしまう作品。
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