夜空のパンケーキ

子どもたちをよろしくの夜空のパンケーキのレビュー・感想・評価

子どもたちをよろしく(2019年製作の映画)
4.0
コロナウイルスで自粛が相次ぐ中、決行された舞台挨拶付きで鑑賞。
とにかくアンハッピーエンドな終わり方に未だにきちんと感想が書けないでいる。

ギャンブルに溺れる父。
娘を犯す父。
歯向かえない母。
そんな親を持つ子どもの内面をするどく描いていく。
広がる負の連鎖。
そんな親だから、子どももダメになるのか?という深いテーマが根底にある。
令和版「中学生日記」とも言えるくらいの内容。

舞台挨拶で企画をした寺脇研さんは、本当に今の状況で全国一斉に学校を休ませることが正しいのか考えてもらう意味でも舞台挨拶をすることにしたと話していた。
この映画は本当にダメな大人しか出てこない。
しかし実際は弱い人間なんだと話していた。

ラスト前にいじめをしていた子どもたちが嘘を平気で言うシーンがある。
一番印象的だった言葉は寺脇さんは「今の国会見ていても平気で嘘を言う大人がいるんだから、子どもたちを責めることはできない」と話しておられたこと。

もう少しいじめをしている側の親のバックグラウンドを知りたかったが、この作品を観てタイトルの「子どもたちをよろしく」は製作者側から観客に問いかけている意味なんだと感じた。
町で苦しんでいる子どもがいたら僕は声をかけてあげられるだろうか?
もう一度自分自身に問いかけるいい機会になった。