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バビロンのsonozyのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.5
『ラ・ラ・ランド』『セッション』のデミアン・チャゼル脚本/監督が、1920年代、サイレントからトーキーへの以降期の(自主規制ヘイズ・コードが導入される1930年前後までの何でもありな)狂乱のハリウッド創世記への想い、俳優や製作者、数々の映画作品への愛とリスペクト、そして映画製作に関わる歓びが伝わってくる3時間超の作品です。

日々、乱痴気パーティーが繰り広げられるハリウッド。
撮影シーンの混乱・喧噪っぷり・・・
サイレント時代のトップスターで、離婚を繰り返し、酒量多すぎなジャック(ブラッド・ピット)。
怖いもの知らずでスターになれると信じている、ドラッグ中毒のネリー(マーゴット・ロビー)。
ネリーと同様、映画界に入ることを夢見る真面目なメキシコの青年マニー(ディエゴ・カルバ)。
の3人を軸に、
映画俳優の成功を左右するゴシップコラムニスト・エリノア(ジーン・スマート)
パーティーで妖艶に歌うレズビアンの中国系フェイ(リー・ジュン・リー)
マニーに見いだされる黒人ジャズトランペット奏者シドニー(ジョヴァン・アデポ)
キモいキャラで登場の裏社会を牛耳る男ジェームズ(トビー・マグワイア)
らが脇を固め、デミアン・チャゼル監督の奥様オリビア・ハミルトンも女性監督役で出てきます。

栄光から淘汰への哀しみが沁みるブラピ、“Wild Child(野生児)”と呼ばれる奔放キャラのマーゴット・ロビー、ネリーと映画を心から愛したディエゴ・カルバ、名演です。

『ラ・ラ・ランド』他のデミアン・チャゼル監督作でタッグを組んでいるジャスティン・ハーウィッツのサントラは、一部『ラ・ラ・ランド』を思い出させるメロディ♪も。

タイトルは、ハリウッドを、聖書において繁栄にともなう堕落と退廃・没落の象徴となっているバビロニア/バビロンになぞらえたもののようです。
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