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バビロンのSTAYGOLDぴあ映画生活のレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.2
GIFT
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命が尽きる瞬間では無い。
まだ旅の途中に観る人生の走馬灯。

観つめる銀幕に映るそれは時代とともに生きてきたモノづくりの証。ここで我慢ならず…ごらん僕を太陽の破片が頬つたう。ヴえ〜ん、これマヂでやべえ奴やん。反則やん。好きになってまうやろ。

まー役者は皆、全力投球。
ブラピのせつなカッコいい哀愁もマーゴット•ロビーの振り切ったケバイヤらしさも、ヤリすぎくらいが丁度いい。マーゴットねいさんはある意味、ハーレイちゃんのイカガワしさを超えてるかも。あゝ、やっぱ彼女はマヂでステキやねん。主演の男優は…まあねー。フツーなのが良かったかな。タッパは大きいマーゴットねいさんよりあって見栄えはしましたね。

基本の創りは、ミュージカル無しのララランド。あー、若いときのノシ上がりと着地点はそうですよねーなスジ。もう、ジャンルとしては語り尽くされたお話。

が、しかし。
モノづくりだけではない、全ての人生に感応するズルい琴線だらけ。そこにカントクお得意のキラーBGMが乗る。完全に音当てのお手本だろ。様々なカタチで場面でメインテーマをしゃぶり尽くす。

如何わしい時代のソドムとゴモラなモノクロの電脳紙芝居から近代的なテクニカラーへ。色と音という翼を得て、映画は生まれ変わり、そして今へと繋がる。これまた監督お得意のフォーメーションが突き詰められた演出が重なり、これでもかこれでもかのコンボ。激しすぎますよう、勘弁してください。

へへーんとヘラヘラして、ボトルの白ワインをラッパ飲みながら観てたが、途中でそれどころでは無くなってしまったよ。これ、もう一度じっくり観たい奴。できれば音響が良い、更にIMAXとかで。その価値がありまくりです。

漫画とイラストで喰っていきたいと思ってた小僧が、中央でチカラの違いを見せつけられ、それでも生き残りをかけてバブルの80年代にゲーム屋となる。

好きなものを企画してシナリオを書きメリケンとも戦い、オレの企画が売れねー訳ねーじゃんと天狗になり、90年代のゲーム氷河期の激動を経て、全てのジャンルの映像制作に転向し2000年代を乗り切る。映画の様に良い時も悪い時も天国も地獄も味わった。そしてこれから黄昏を迎える。まー、色々と悪い子だったし、そりゃあ暖流には乗れねえわ。

うん、それが今までの人生。後悔は無い、全然無い。だけどほんの少しの心残りはある。それもまた、生きているということ。

志半ばで違う未来を歩く決断したアイツら、そして想い半ばでそらは旅立ったアイツらのぶんまで、まだこの場所にいるオレがぜんぶ背負って胸いっぱいに作品を届けるよ。

そんな色んな想いが浮かびました。
ほんと感謝。

そうだよね。
いつだって答えは 遥か彼方にある
それが映画なのです。

ロスタイムは、そんな無いけどさ、向こうでみんなに会ったときエガオでハイタッチできる様に、明日からこころ新たにリスタートしまーす。←ほんとかなあ^^;

※翌日に2回目のおかわり鑑賞。
やっぱ、このテーマ曲の、こすり倒し感は凄すぎる。
もう、鼻血も出ねえやん。

ここまでしゃぶり尽くされれば、テーマ曲も本望だろう。そしてオーディエンスの記憶にもゴリゴリに刻み込まれる。ほんと解ってますねえ、カントク。

少し時間を置いて、TOHOシネマズ新宿のIMAXとTGXで観ます。だってアソコこそが、ソドムとゴモラだもんねー。できれば金曜日のオールがいいなあ。より濃ゆくなるから~。
楽しみです。

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