がぶりえる

バビロンのがぶりえるのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
5.0
20年代ハリウッドの狂夢に酔いしれる
まず言いたい、傑作中の傑作!!!
2回も観に行ったぞ!!
不評だろうがなんだろうが知るか!!
僕はこの映画が大好きだ!!!!

目まぐるしく隆盛と衰退を繰り返す映画という文化についての映画。儚い夢を手にするために、命をかけて情熱を注ぐ者たちの賛歌でもある。

冒頭から凄い。象さんのクソに始まり、乱痴気パーティーからの、糞!ゲロ!ドラッグ!の三拍子。デミアンチャゼルが派手にぶっ壊れたことを確認し、息つく間もなく狂った映画撮影がスタート。これまたしっちゃかめっちゃかのカオス状態。秩序なし、余裕なし、命なしの撮影現場…

そんなトップスピードで狂気を奮う前半から、徐々に夢が壊れ始める後半

輝かしい栄光を手にした主人公たちがそれぞれ窮地にたたされ、藁にもすがる思いで必死に夢にしがみつづける。だが、堕ち始めたが最後、後は修復不能。新たなスターはいくらでも出てくる。朽ちて行く主人公たちを観るのは本当に心苦しいし、凄まじい疲労感だった。

そしてラスト。映画という文化は受け継がれることで進化を遂げていくもの。時代は違えど、ひと度映画がかかればスターはスクリーンに甦る。彼らが夢のために生きた証が映画に刻まれているから。「映画の一部になりたい」という主人公たちの夢は確かに叶った。しかし、古き良きクレイジーな活気に満ち溢れた、あの頃のハリウッドは今はもうないのだと実感し、じっとスクリーンを見つめながら涙する主人公。あのシーンはなんというかとてつもなく染みる。

からの、胸熱のラストシークエンス。今も誰かが作っている映画が時代を変え、何かを衰退させ、誰かに影響を与えている。「マトリックス」「アバター」「2001年宇宙の旅」どれも時代を象徴する映画たち。偉大なクリエイターたちが、愛に情熱を乗せて時代を築き上げていく。全ての映画が映画に夢をかけた者たちの生き様そのもの。


あぁ良い映画だ…ホントに最高だったよ