Renz

バビロンのRenzのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.6
バビ体験してきた。

はじめの乱痴気騒ぎや下品なシーンもいうほど汚く感じなかった。
おそらく象さんはあんな出し方しないし。
乱痴気騒ぎもやってるのはモブだけであの場で女王と化してるはずのマーゴット・ロビー演じるネリーは裸にならないし(怒)!
裸の男女も記号のようにしか見えなかった。

ブラット・ピットもマーゴット・ロビーも当たり前だが今のスターにしか見えずにサイレント時代のスターにはとても見えない。

主にジャックネリーマニー3人が主役の群像劇だが、ジャックは序盤以外ネリー&マニーにからまなくなる。

そもそもこの映画は何を描きたいのか?サイレント時代の俳優たちの栄枯盛衰を描きたいのなら、サイレント時代の活躍っぷりの描写が足りない。
映画の素晴らしさを描きたいのならそもそも映画のシーンが少なすぎる。
セリフではジャックやマニーが映画の素晴らしさを語るのだけど、肝心の感動するような映画のシーン(撮影シーン、完成映像シーン)がほとんど無いのはいただけない。
当時はこんな撮影方法で大変だったんだよというのをただやってるだけ。
最後の最後で映画史を映像で流してそれで感動しろとはちょっと強引な終わらせ方じゃないか。
ネリマニの物語も二人一緒のシーンは少なくて関係の変化とか、互いに対する心のうちとかが分かる描写が少ない。3時間もあるのに!

ジャズミュージシャンの話も雑。黒塗りさせられたというエピソードのための存在と化している。
監督はジャズドラマー目指していたらしいけど、セッションを観たときも感じたんだけど、楽しそうに演奏するシーンが殆どないのが気になる。
今作もジャズは乱痴気パーティーのバックミュージック、黒塗りさせられて屈辱に耐えながらの演奏、ととても扱いが悪い。
監督はジャズに嫌な思い出でもあるのだろうか。
ジャズ好きとしてはもっとジャズを楽しく演奏するジャズ映画が観たいな。

群像劇にせずにマニーを主人公にして、彼が映画を好きになったきっかけやメキシコからやってきた経緯から始めて、彼の目から見たジャックやネリーたちとハリウッド、その変化を描いて行けば最後のシーンは感動できたと思う。

いろいろ書いたけどひとつひとつのシーンは良いところもあって、特に3時間もあるのに全然ダレなかったのは監督の力量によるものだと思う。
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