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バビロンのrexsolusのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.7
「ラ・ラ・ランド」もそうだったけど、何か作り物っぽい。古き良き時代の映画づくりを扱った作品といえば、フェリーニの「インテルビスタ」を真っ先に思い浮かべるが、そこで描かれたチネチッタや映画への想いは本物だった。デイミアン・チャゼルの場合はどこまでも人から聞いたお話しをもとにした想像の産物でリアリティがない。長尺も飽きさせない賑やかで猥雑な場面や、不思議なキャラクタ、興味深いエピソードがちりばめられ、それはそれで悪いわけではないのだが、どんなに映像を細部まで作り込んでも、底の浅いカリカチュアにすぎず人の心を揺さぶるノスタルジーはそこにはない。タランティーノやコーエン兄弟などは、映画そのものに対する偏執的な愛情を感じるが、この人はそこまで行ってないと思う。結局切ないラブストリーがメインなのかも知れないが一体何が本当にしたかったのかよくわからないという感じ。
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