ペコ

バビロンのペコのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.6
ハリウッド黄金時代の表と裏を描いた豪華絢爛なドラマ。本年度アカデミー賞では主要部門にノミネートされなかったのは意外でしたが、本作を観ると「ん~、たしかに期待していた程じゃないのかな」というのが個人的な感想です。最初から最後まで音楽とダンス、そしてエロ・グロで楽しませてくれましたが3時間の長さのわりにはもう一捻り欲しかったところ。『セッション』『ラ・ラ・ランド』のようなテンポの良さが本作では足りなかった気がします。
とは言いつつもハリウッド黄金期の光と影の物語は映画ファンとしては見応えを感じました。サイレント映画からトーキー映画に変わる時代の物語。サイレント映画の大スターであるジャック、女優を夢見るネリー、映画製作を目指すマニー。映画業界に関わる3人の栄光と挫折が描かれています。豪華絢爛!狂喜乱舞!もうキラキラし過ぎていてショーを見ているかのような演出は見事でした。マーゴット・ロビーのぶっとび感は好き(笑)夢が溢れた輝かしく見える映画の世界の裏では、憎しみ、裏切り、セックス、ドラッグ…。撮影中に人が死んでも撮影を続けるなんて昔は当たり前だったのだろう。映画の撮り方に驚かされるシーンもありました。ただし、3時間のあるなら主要3人の人物背景をもう少し詳細に描いてほしかったなと思います。
映画は常に新しく進化し続けている。だから僕ら観客は新しい映画を観るたびにワクワクドキドキさせられる。その一方で変化についていけない人間もいる。一世を風靡した映画スターのジャックも、夢を追いかけるネリーやマニーも…。映画を愛す、映画に愛される。数々の作品へのオマージュ、そして映画愛が溢れた作品であることは間違いありません!
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