Nagaki

バビロンのNagakiのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.4
映画を見終わった後、映画館で見て本当に良かったと思った。

まさかの感動して、最後はボロボロ涙出てきちゃった、、笑

♪~I’m singing in the rain~☔️

終わった後、余韻でずっと聞いてる。

時代の流れから生まれる、絶望、挫折、希望。
これからも映画は時代と共に変わり続ける、、!そんな期待をさせてくれた名作だと思う。


、、、とは言うものの、まぁとにかく、キタナイ🤮すべての「キタナイ」がこの映画の中で表現されていた、、



1920年代のサイレント映画時代で、ハリウッド黄金期のはじめ。



休憩室に、小道具の槍が自分の頭真後ろに飛んできても、何事もなかったように電話を続けるほどの貫禄とカリスマ性を持つ一流俳優ジャック(ブラピ)。

招待もされていないパーティーに参加し、混沌、淫乱、狂気に満ちたパーティーの中でも、最高に目立って、気持ちのままに行動する女優志望のネリー(マーゴット・ロビー)。

映画に携わりたい、映画という大きなものの一部に関わりたい、という夢を抱いてメキシコから上京し、このパーティーの雑用係をしている、ちょっとメキシコ訛りで発音の可愛らしい英語を話すマニー(ディエゴ・カルバ)。



映画前半は、とにかく疾走感がすごい。ハリウッド黄金期の駆け出し時期であり、

女優の卵ネリーが底辺から一気に頂上へ上り詰める時期、

一流俳優ジャックの最盛期、

マニーが映画業界に直接的に関われるようになり、撮影の楽しさを実感し、映画への熱がさらに加速する時期でもあり、

一気に皆が駆け上がる疾走感がとにかく凄まじい。

後ろで流れているジャズのドラムのビートがさらに物語の疾走感を演出していた。



(この辺りからネタバレも含む)



ネリーの何回も何回も撮り直しをした、学校テイストの作品のシーンは、めちゃくちゃ共感した。

私が、映画サークルに所属していた時、撮影中、音声に雑音が入ると、何度もそのシーンを撮り直したり、カットのつなぎ目が自然な流れになるように、シーンごとの立ち位置や動作のズレを確認したりと、本当に大変だった。



しかし、その前半の疾走感、テンポの良いストーリー展開は、中盤にかけて徐々に失速、、、



たしか、ネリーが女優として成功した後、パーティーの裏で、自分の悪口や批評を聞いちゃって、そこからの展開がちょっと???って感じだった。



あの蛇のシーンは何だったんだ、、、?

そして、ネリーの命の恩人、アジアンビューティーの彼女、一番最初の登場シーンで、

キンタロー。にスポットライトが当たったと思ったのは私だけでしょうか、、、?笑





そして、サイレント映画から、徐々にトーキー映画が導入されていく。

マニーは、シドニーなどの、バンド奏者をメインとした映画を撮り、成功を着々と収めていく。

ハリウッド界も、混沌&淫乱の夜から、優雅で気品のあるアフターヌーンのような雰囲気に。



そんな雰囲気に馴染めないネリーは、徐々に堕落し、ドラッグ、ギャンブルに益々依存。ジャックも、演技を鼻で笑われ、自分の時代は終わったと感じるようになる。


以前の、ネリーが酒場の女役で初めて出演したサイレント映画は、映画館で大盛況、ネリーもその状況を見て、思わず笑みがこぼれていた。

しかし、終盤のジャックのトーキー映画は、
映像としては、最初の疾走感の中で、マニーが救急車に乗って持ってきてくれたカメラで撮った、夕日をバックにした一流俳優ジャックと女優のキスシーンと、差ほど変わらない映像だが、
ジャックの台詞にある観客が吹き出し、キスシーンで大ブーイングが起きた。



時代の流れ。



ジャックが、記者のところへ訪問し、なぜ自分のシーンが笑われるのかを聞いた時の場面が、かなり心に残っている。



(大体こんなこと言ってた気がする。↓)

それは、ジャックのせいでもなく、脚本のせいでもない。
それはただ、時代の流れであり、誰も抗うことはできない。
確かに、全盛期だった俳優たちは、いずれ忘れ去られるし、ある映画の関係者たちは、いずれ全員死ぬ。
しかし、その映画がまたいつか見られることによって、彼らは生き返ることができる。映画の中に生き続けることができる。

なんか、こんな感じのことを聞いて、
映画って、やっぱり素晴らしいな〜奥が深いな〜と心にズーーーンと響いた。


そして終盤にかけて、
マニー達が、ネリーのために借金返済しに行った先で、地下に連れていかれるあの一連のシーンは、最後まで見た後に考えると何だったんだろう、、と思ったが、
徐々に「映画」というものにフォーカスしていく。

かつて、1920年代にビックスターだった俳優たちは、時代の流れに抗えず、
ジャックは自ら命を絶ち、
ネリーは暗闇の中に消えていった。

その後、2人が死亡したことは、それぞれ新聞の端の方に小さく記載されていた。
ここめちゃくちゃリアルだと思った。



時は経ち1952年。
マニーは家族と一緒に、かつて自分が映画に情熱を注いでいた場所ロサンゼルスへ訪れる。
そこで、マニー1人で映画館に入るのだが、
このシーンでマニーにつられて、私も思いがけず、ボロボロ涙流してしまった、、笑


映画は「雨に唄えば」。
「雨に唄えば」はまさにマニーの映画人生の時代背景そのものを表している映画。

「雨に唄えば」の登場人物、サイレント映画のビック女優リナが写った時、
マニーの目に徐々に涙が溜め込まれていくのが分かった。

「雨に唄えば」のリナは、サイレント映画では大スターだったが、トーキー映画が主流になるに連れ、欠点の声のせいで、スター人生から下落してしまった。

このリナが、ネリーに重なり、マニーの思い出が一瞬にして色々蘇ってきたシーンが、本当に感動した。

3時間の大作だから、もう映画の最初の方とかもう、私からしても思い出だった笑
野蛮なパーティー、ネリーやジャックの大スター時代、マニーの前髪あった時代、、
全て懐かしい!!

だから、
マニーが映画館で「雨に唄えば」を見て、愛すべきネリー、自分の映画人生など、当時見てきたものが全て思い出されるのを、
私も映画館で、その流れを一緒に体験することができて、すごく不思議な感覚だった。

なんかマニーと同化してる感覚?って言ったらいいのかな、、とにかく不思議で新鮮な感覚になった。
涙止まらなかった、、😢



改めて、映画って最高だ〜と思わせてくれた映画だった。
最近はドラマばっかりだけど、映画も今年はたくさん観よう^ ^
Nagaki

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