桜花

バビロンの桜花のレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.7
1920年代からのハリウッド。
最初のシーンはアメリカとは思えなかった!

まあ、、ちょっと、いや、かなり(物理的に)汚いシーンも数あり、何度か本気で気持ち悪くなったりしながらも、

コンプラ?なにそれ。ハラスメント??美味しいの?って時代。自分の周りは狭く、世界が途方もなく広く感じられたこの頃の映画は、そのセットの中に広い世界いや宇宙までをも再生する勢いでデジタル一切なし、人間力だけで作り上げるエンタメの世界。
強い。本当にエネルギッシュ!!

そして、「新しくなきゃダメだ、古いジジィはクソ喰らえ」の勢いだったブラピ演じるジャック(そういえば、タイタニックの3Dも見たかったのに、あっという間の満員御礼で結局見損ねてしまったのが残念。こっちのジャックにも会いたかったなぁ)が、サイレント映画からトーキー映画に変わる過程でいつの間にか時代に取り残されてしまった姿は、栄華があったからこそ切なすぎた。

ヒロインネリーの「スターはなるのではなく、いつも(私の存在そのものが)スターだ」とか、ゴシップコラムニストの「スターは輝きが大きいからこそいつかは消える。(自分の様な)ゴキブリこそ生き残る」とかの(ちょっとうろ覚えですが、そんな様な)セリフが秀逸すぎて、思わずうなづく私。


フリーセックス、ドラッグ、ギャンブル挙句殺人と倫理観なぞあったもんじゃないけど、
だからこその底知れぬ強さを持った昔のハリウッドが垣間見られた様で、3時間、思いの外あっという間だった。
桜花

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