Harumakiさん

アンテベラムのHarumakiさんのネタバレレビュー・内容・結末

アンテベラム(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

【 この悪夢は、本物 】

この映画はホラー映画と分類されつつ、アメリカの黒い歴史や今も続く根強い人種差別を描いた作品です。
全体的に気味が悪く、物語の展開は世にも奇妙な物語の完成版、、、、、、今作もいつものような、鳥肌の立つような世界観を楽しめました。
ここ最近のホラー映画ではぶっちぎりで面白かった、、、、。

●話の展開がおもしろすぎる。
物語序盤、黒人を奴隷として扱うという残虐な世界が流れる。そこから一変し、現代にみられる平和で発言に自由のある世界に切り替わる。
ここまでの流れでは、過去とのリンクで描くホラー映画かなぁと思ってたのに(『キャンディーマン』的な)、まさかまさかの全て同じ“現代”の話という完全に予想外な展開。主人公エデンのセリフ、「これまでの生活は忘れなさい。」や取り締まりを行う白人のスマホを取り出す演出には、心底驚かされ鳥肌MAXになりました。
なんの情報も与えず、一気に物語を繋げていく展開は真新しく、爽快感と恐怖が互いに感じられました。

●とても身近にある差別運動。
今作描かれた差別運動は、南軍マニアによる奴隷制度を再現したプランテーションで、誘拐した黒人を働かせるというもの。
まず感動させられたのは、今作の差別運動が隔離された島での出来事ではなく、街中にある“テーマパーク”で行われていたということ。ここまで身近な場所だと、世界観に親近感が湧き、今までにない恐怖を体験しました。
現代の出来事という衝撃だけでない、“街中”という場所への衝撃も感じられる、、、、「我々は世界中にまだまだ存在している。」、エデンを管理した白人の言葉。今作の身近な差別運動と、この言葉からはとても大きなメッセージが感じられました。
今の時代でも白人主義や黒人差別の思想を抱く人間は存在する、、、、、怖いだけじゃ終われない作品ですね。

●生々しい表現での緊張感。
今作描かれた白人主義者たちの言動は本当に怖かった、、、。黒人奴隷を人として扱わない姿には、毎回毎回心が痛む。
社会の先生が話していた、奴隷が亡くなったことを“壊れた”と表現していた時代は、今作を見る限り本当にあったんだと改めて考えさせられました。
さらに言えば、これが現代で行われた再現パークでのことであり、それを行う人々は現代に住む人であるということ。そう考えると尚更怖く思う。
痛ぶったり、殺害をしたり、どれもリアルで緊迫した演出で描く今作は、ずっとドキドキで直視は難しかったですね、、。
(めっちゃ汗かいた)

◉まとめ
この作品は、黒人差別に対する強いメッセージ性を狂気的な世界観で描いた新感覚ホラー映画です。
後半につれ感じてくる“違和感”、非現実をリアルに描き脳に焼き付く話の展開、今までのホラーとは別格。
久しぶりの自宅鑑賞ではありましたが、『ゲット・アウト』『アス』『キャンディーマン』に続いて最高に興奮させられる作品でした。
これは、事前情報なしでの鑑賞が最高の楽しみ方だね。







いやぁ〜怖すぎ、、、、。
だいぶ高校生活に慣れてきて、それでも忙しい日が続いて、やっとやっと観れた今作。(レビューだいぶかかったなぁ汗)
やっぱホラーはいいね!


ちなみに、一昨日友達と『ドクター・ストレンジ/マルチバース・マッドネス』見ました。marvel作品、、、激アツ。
Harumakiさん

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