ゴン吉

アンテベラムのゴン吉のレビュー・感想・評価

アンテベラム(2020年製作の映画)
4.0
黒人女性が人種差別により拉致されるスリラークライムドラマ。  

ジャネール・モネイが二役のヒロインを演じ、エリック・ラングらが共演。

南北戦争時代、南軍がルイジアナ州の巨大なプランテーションを占拠・支配し、黒人を奴隷として綿花の栽培・採取を行わせていた。そこでは奴隷たちは話すことも許されない非人道的な扱いを受けていた。時は現代に移り、ヴェロニカ(ジャネール・モネイ)は黒人女性の自立に関する論客で、夫と娘の三人で幸せな毎日を送っていた。ある日、ニューオーリンズでの講演を終え、女友達3人でシャンパンを楽しんだ後、タクシーでホテルまで帰ろうとするが、拉致されてしまう。監禁されたのは南北戦争時代の綿花畑のプランテーションの小屋。彼女は他の黒人と脱走を図るが……  

本作品は現在でもアメリカで黒人奴隷制度を支持する人がいることを示唆しており、実際に人種差別が根強く残っている。作品は南北戦争時代の奴隷の黒人女性と現在の黒人女性をオーバーラップさせながらストーリーが展開するが、奴隷制度時代の人種差別問題が現代社会に根強く残っていることを描きたかったのであろう。
プランテーションのシーンではいつ南軍兵に捕まるのかヒヤヒヤしながらスリルを満喫できた。
スタンリー・キューブリック監督の「シャイニング」(1980年)のオマージュと思われるようなシーンもあり要チェックです。
また映像が美しいのも本作品の特徴。
果たして囚われの身となったヴェロニカの運命は如何に? 
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