メザシのユージ

ウィッシュ・ルームのメザシのユージのレビュー・感想・評価

ウィッシュ・ルーム(2019年製作の映画)
3.5
ニューヨークから田舎に移住してきた若い夫婦は、新居に奇妙な隠し部屋を見つける。それはなんと、願ったものが何でも手に入る夢のような部屋だった。最初は戸惑う2人だったが、贅沢な望みを次々とかなえるうちに、欲望をエスカレートさせていく。子どもに恵まれずにいた妻は、ある日ついに部屋でその願いを実現させる。ところが、部屋で生まれたものは家から出すと消えてしまうことが判明し……。
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引っ越した家にあった何でも欲しいものが実態として現れる部屋という設定は、イギリスの古典ホラー小説「猿の手」のアレンジかと思っていたが夫婦がずっと欲しかった赤ちゃんを部屋から誕生させて、そして「部屋で誕生したものは家から出すと消えてしまう」という事がわかったあたりから一気にサスペンス要素がたかまる。

人の欲や都合によって生み出された生命体と主人公夫婦の関係は、スティーブン・スピルバーグの「A.I」や「フランケンシュタイン」にも似たなんとも言えない悲しい展開になっていく。最後まで緊張感のある飽きさせない演出でなかなか面白かった。